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ポプラの介護教室

介護教室(認知症について 第8回)

2022-01-28
師走という名の通り、気付けばもう2021年が終わってしまい新年を迎えてしまいました(笑)

皆様、新年明けましておめでとうございます。
昨年も新型コロナウイルスの影響があり、多くの方々が苦労と我慢だったかと思います。
なかなか以前のような生活に戻れませんが、望みを持って頑張りましょう!
皆様のご健康とご多幸を、心より願っております。

今年の干支は寅年、私は年女なのですが『虎視』を少しでも抑え、穏やかな対応を心掛けたいと思います(笑)

今回は前回にお話しした、「看取り」と「ターミナル」の事例をお話ししたいと思います。

看取りとなった利用者の家族は、本来ターミナルケアを希望されていました。
認知症が深く、経口摂取が出来なくなった後に点滴をしようとしましたが覚醒しては自己抜去してしまい、何度もトライしたのですが家族との話し合いで「本人が希望していない。」との見解になり看取りになりました。
家族より、「ひどいと思いますか?」と聞かれた事を今でも鮮明に覚えています。

私は昨年に述べた通り、自分は一切医療行為は望まないので家族に思わない旨を伝えました。
ですが、その判断を良く思わない職員も居ました。
なかなか、難しい判断でしょう。

認知症の失語から本人の本当の想いは聞くのは難しく、思いを「こうなのではないか。」との判断も一つの答えはありません。
私達介護職員が決めれることでもありません。
家族に寄り添う事が、私達介護職員の仕事だと思います。
どんな判断をせよ、その思いを少しでも否定などせずに一緒に最後の時間を過ごすべきだと思います。
顔に出したり、否定的な言葉を家族に伝える職員が過去にいた事に残念な思いが強かったので、職員への教育も大切な事だと施設での看取りに携わってからつくづく感じました。
逆に、グループホームは9人での共同生活なのですが、看取りの時に夜勤者が一緒に部屋(入口)でユニットを見守りながら見取りの方と居た職員を見た時は感動しましたね。

その職員は、私が宿直で確認しにいった時に慌てて謝ってきましたけど人間の温かさを感じさせてもらったので褒めましたが(笑)家族が付き添えない中、一緒に同じ空間に居るって選択をした事が介護職員だからこそだなと思いました。
他の利用者を見てない訳ではないですよ。
入口を開放して、動きは確認できる状態ですから。
家族が付き添わない事も、私が望むのは家族には家族の時間があり優先すべきは家族の生活です。
その生活を安心して過ごしてもらうために、私達が居ます。グループホームの職員にも、常日頃からその事は念頭に置くように言っています。

真逆の意見もあるでしょう、最後は家族が傍に居るべきだと。
居たくても居れない方もいるでしょう。
家族の代わりは出来ませんが、認知症の方も家族の方たちも私達が居る事で、少しでも力になれればと思います。
点滴をしない事で、死期は長くて10日と言われています。
人それぞれではありますが、点滴を止めてその日で他界された方も居ました。
私がみた方たちは3~4日が多かったと思います。
もちろん、疾患や状態で人それぞれですが。


ターミナルケアが多いと前回にもお話ししましたが、点滴を使用する事で死期は長くて3か月と言われています。
ぽぷらでも最長が3か月でした。
もちろんこちらもひとそれぞれなのですが、私が見た中では1ヶ月~2ヶ月が多かったと思います。
点滴のみの対応ですので、腕から始まり両腕から穿刺出来なくなると下肢に刺します。
私自身、下肢に点滴をした事がないのでどんな違和感や痛みがあるのかないのかは言えませんが、想像すると痛そうで不安です。
この業界に居る事で、高齢者に当たり前に点滴をしていますが「足から点滴するの?」と聞かれて、「自分で想像すると痛そうだ、普通は足からって考えないかぁ。」と思いました。
しかし、点滴をするしないで、こんなにも時間差が出ます。

よくどちらが楽か聞かれますが、自分自身が経験のない事なので答え兼ねるのですが。
自分自身の事でなら選ぶのは簡単ですが、他の命に対しては言い切れる事ではないですからね。
だからこそ色々な意味を踏まえて、『リビングウイル』は家族のためにも大切だと言えます。
どうぞホームページをご覧の皆様も『リビングウイル』について真剣に考えてみてください。
愛する家族が苦しまないためにも。

今年は看取りについてもう少し勉強会を行い、ぽぷら職員がもっと死にゆく利用者に寄り添えるケアを私自身も含めスキルアップをしたいと思っています。
今までも最良の終末期ケアを心掛けていましたが、『ここをもう少し、こうすれば良かった。』『こんな痛みがある時は、家族も分かりやすい選択が出来る薬剤の一覧があると良いかも。』等が毎回出てしまい、まだまだ勉強不足と感じます。

看取りは本人、家族、私達職員が最後に関わるその人の人生最後の時間です。
私達が出来る最後のお手伝いは、穏やかに死を迎えられるように苦痛やストレスを出来る限り軽減し、本人と家族に寄り添う事です。
人は生まれた瞬間に死に向かって歩きます。
生まれた感動から、死にゆく最後の時も満足して旅立てるお手伝いをグループホームぽぷらでは最善を尽くしたいと取り組んでいます。

次回は、認知症の色々な症状の対応と薬剤についてお話したいと思います。
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