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ポプラの介護教室

介護教室 (認知症について 第1回)

2021-05-25
こんにちわ。
コロナの収束もままならず、終息には程遠そうですね。

では、認知症の基礎知識をお話ししたいと思います。
平成16年12月24日に『痴呆』という用語から『認知症』という用語を行政や一般的に用いることになりました。

認知症とは、一度獲得した知的能力の後天的低下の事で脳器質病変による症状群です。
簡単に言うと、何かの病気によって起こる認知機能の障害の、症状や状態の総称です。

何かの病気の認知症の主な原因疾患はたくさんあります。
・脳血管障害(脳血管性認知症)
脳梗塞、脳出血
・退行変性疾患
アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、瀰漫性レビー小体病、ピック病等
・内分泌、代謝性中毒性疾患
甲状腺機能低下症、脳リピドーシス、肝性脳症、肺性脳症、透析脳症、低酸素症、低血糖症、アルコール脳症、薬物中毒等
・感染性疾患
ヤコブ病、亜急性硬化性農園、各種脳炎、髄膜炎、脳腫瘍、脳寄生虫等
・腫瘍性麻痺
脳腫瘍(原発性、持続性)、髄膜癌腫瘍等
・外傷性疾患
慢性硬膜下血腫、頭部外傷後後遺症等
・その他
正常圧水頭症、多発性硬化症、神経ベーチェット、サルコイドーシス、シェーグレン症候群等

上記のように認知症をきたす疾患は様々あります。中でも多いのはアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症です。
認知機能の障害を回復する事は困難な認知症ですが、一方で脳炎や外傷や正常圧水頭症のように
脳の障害が改善すると、認知症も改善する場合があります。

老化による認知症もあります。
脳は20歳台をピークに、だんだん萎縮が始まります。
50歳辺りから徐々に認知機能が低下し、60歳台で萎縮が顕著(5~10%減)になり80歳台で10~20%も萎縮します。
人間はすべて細胞で出来ていて、萎縮は神経細胞の減少が原因で起こります。

私が病院や施設で認知症の方と関わって感じた事は、「アルツハイマー型認知症でも脳血管性認知症でも同じ薬が効果がある」とか
「同じ対応で落ち着ける」は絶対にないと思いました。その人その人に、もともとの性格や暮らしの違いもあり、薬の効能の違いや
対応によっての反応が違うため『認知症は一緒』ではなく『一人一人にあった対応と内服薬』が重要と思います。

では、『認知機能』とは何かを説明します。
物事や外界を正しく理解し、適切に実行するための機能の事を言います。
具体的に、記憶・判断・計算・理解・学習・思考・言語及び実行機能(行動制御)等の脳の高次の機能の事を言います。

今回は認知症の基礎知識をお話しさせていただきました。
次回は各種の疾患の詳しい説明と、症状の説明をお話しさせていただきます。

グループホームぽぷら 管理者:櫛引 愛

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