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ポプラの介護教室

介護教室(認知症について 第3回)

2021-07-25
こんにちわ。

梅雨明けし、毎日暑い日が続いています。
しっかり水分摂取をし、十分な睡眠を取って健康管理に注意して下さい。
オリンピックも始まりましたね!新型コロナウイルスが収束しない中不安も大きいですが、応援を影ながらしています。

コロナの予防注射がポプラサポートではほとんどを終え、入居されている利用者では誰一人熱発や体調不良なく元気に過ごされています。
ただ、職員が二回目の予防注射で熱発し体調不良を訴える人が半数近く居て心配です。
いつまで新型コロナウイルスの脅威を感じ、生活しなければならないのか不安は尽きませんが一日も早い終息と、皆が笑顔で過ごせる日々が来る事を心から望みます。

では、今回はアルツハイマー型認知症の分かりやすい説明を話したいと思います。
アルツハイマー型認知症の主症状は『記憶障害』です。
見当識障害の表出には、順序があります。
時間・時・季節の見当識障害から始まり、進行に伴って場所や人に対する見当識障害が見られます。

【見当識障害】
見当識とは、現在の時刻・日付・場所・人物・周囲の状況等総合的に判断して自分が今置かれている状況を理解する能力の事です。
これらが正確に認識できなくなる事を、『見当識障害』と言います。

アルツハイマー型認知症の経過は、前期・中期・後期の三段階に分けられます。

〈前期〉
新しく体験した事や、仕入れた情報を思い出せなくなる近時記憶、あるいはエピソード記憶の障害と、時間日時の見当識障害が中心に表れます。
⇒なんとなくいつもと違うな…と思う事が目立ち始めます。

〈中期〉
前期の症状に加えて、さまざまな古い記憶(遠隔記憶)も障害され、時間的見当識の障害に加えて場所の見当識も障害され慣れた道で迷ったりします。
日常の生活や行動に誤りが生じ介護が必要となります。
⇒日常生活に支障が始まり、周囲がハッキリと分かります。

〈後期〉
記憶の障害はさらに著しくなり、家族の名前も忘れ、人物の見当識も失われてしまいます。
着衣・摂食・排泄等の基本的行動にも全て介助が必要となります。
活動性は次第に減少し最後は寝たきりとなります。
⇒服を着る事も、食事をする事も、生活する全ての一連を忘れてしまいます。

私の勝手な見解と、体験してきた中での考えですが…

後期に入った時に気になった事は、家族の名前を忘れるのも確かにあったのですが、自分が子供といいますか自分の親と生活している状況の話が一番多かったように感じます。
手前の記憶から無くなっていくからか、自分の子供の話より自分が子供だった頃の話が多く聞かれました。
そして、中期の症状が一番傍から離れられない状況が多いと感じます。
多動やひとり歩き、常同行為が見られ、しっかり寄り添う事が必要となります。

上記に書いた『ひとり歩き』とは『徘徊』の言い換えです。 簡単に説明しますと

〈徘徊〉とは、目的もなく、ただうろつき回る事。
〈ひとり歩き〉とは、何かの目的があって動く事。

福岡県や東京都の自治体では、認知症の人は「散歩や買い物等外出(動く)目的があり、記憶違いで迷ってしまうだけ。」と『徘徊』ではないとしています。
認知症に関する研修の認知症介護実践者研修や認知症介護リーダー研修でも『ひとり歩き』を推奨しています。
逆に青森県では、『徘徊』の方が行方不明者だと市民に緊急性が伝わり、ひとり歩きと置き換えると状況を軽く捉えている感じで危険にさらす事になるのではないか?との考え方で『徘徊』を推奨しています。

ポプラサポートでも、デイサービス・小規模多機能型・グループホームの全職員にアンケートを実施し、会議にて話合いをしました。
デイサービスではほとんどの職員が『ひとり歩き』が良いとの意見でした。
デイサービスは職員が、ほぼ認知症介護実践者研修を受けており「目的がある行動」「家族の感じ方も、その方が迷惑を掛けていないと感じるのではないか。」との意見が多く、小規模多機能型ではどちらも使用せず、行動を言葉や記録にしているとの事でした。
グループホームでは、見事に意見が半数に分かれました。

『徘徊』を推奨する意見で多かったのが、青森県と同じ意見の「危険性」を強く推していました。
事実、報道があまりないだけで、認知症の行方不明者数は年間で1万7479人です。
実に悲しい事です…。『ひとり歩き』を推奨する意見はデイサービスと同じで「目的がある行動」「記録に残すのも、家族に伝えるのも、理由がある事を前提」との意見が多かったです。
一人の職員からは、ケースバイケースで両方を使用しても良いのではないか?との意見もありました。

以上の結果を踏まえて、ポプラサポートでは『ひとり歩き』を口頭でも記録でも使用する運びとなりました。
今後増えていく認知症の方や、大切な家族が認知症になってしまった家族の方たちの、少しでもお手伝いが出来るように常に勉強会も実施しています。
もちろん、相談も受け付けていますので、お気軽にご相談下さい!!

次回は、脳血管性認知症についてお話したいと思います。
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