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ポプラの介護教室

介護教室(歩行介助について 第10回)

2022-04-25
皆さん、こんにちは!
今まで介護教室の中で初回しかご挨拶しませんでしたが、今後は他の職員も記載する事になりましたので久しぶりにご挨拶をさせていただきます(笑)
グループホームぽぷら管理者の櫛引です。
この所、曇りや雨が多く気分が滅入りますね。
肌寒さはほぼ感じませんが、天気の不安定さが疲れます(笑)

コロナウイルスも変わらず多いですが、インフルエンザのような思いになってきてしまっています。
面会は県版ステージに添う対応ですが、つい『大丈夫なんじゃないかな…?』と思ってしまいます。
しかしながら、グループホームでの蔓延は絶対に避けたい思いは強いのですが、認知症の方が家族と逢えないのは色々な意味でマイナスなので特効薬が一日も早く出来る事を願う毎日です。
研究者の皆様達が必死に取り組んでいる事と思います。影ながら、応援しています!

前回に記載したウクライナ問題も、なんだかんだで大戦になってきていますね。
なんとなく、世界が二つに割れそうな…嫌な空気が漂っていますね。
まだ序章に過ぎない、なんて結果にならない事を願う事しか出来ないのですが…。

さて、今回は高齢者の歩行介助についてお話したいと思います。

歩行介助の種類は、側方歩行介助と手引き歩行介助、後方歩行介助の3種類あります。
その中で、側方歩行介助には見守るだけと、支える介助、杖、歩行器やシルバーカー等の介助があります。
歩行介助に必要な事は、『安全性』と『安楽性』です。

安全に介助し、かつ楽に介助出来るかが重要と私個人は思います。
安全性が欠けてしまうと転倒のリスクが高くなり、安楽性が欠けてしまうと介助者の身体の負担が高くなってしまうからです。
なので、要介護者の身体機能によっては、二人での介助が必要な事もあります。

介助者のポイントとして
 1、左右へ重心移動を誘導する。
 2、介助者は一緒に重心移動をする。
 3、自分と相手の距離を意識する。

そして、歩く事をしっかりと意識させて下さい。

歩行介助の目的は、日常生活の移動です。
歩行訓練のための介助もありますが、今回は日常生活をするための説明をさせていただきます。
何を意識させるかは、歩く方向をしっかり見てもらい歩く事を意識させます。
意識しないで歩行介助を行う事は、歩行機能の低下に繋がるだけです。
なので、手引き歩行については私はお勧めできません。

介護関連の本にはよく紹介されていますが、安全性が低く自分でコントロールしようとしないので、意識が低い状態で歩行しています。
となれば、自分がしっかり歩いていると意識はできません。
誰かに頼るだけの歩行介助となります。

いつまでたっても、せっかく歩けるのに自立的な歩行へは繋がらない訳です。
なぜ介護関連で勧めるのか全く理解できませんが、手引き歩行が必要な身体機能もあります。
前方へ体重を掛けないと歩けない、前方から引っ張らないと歩けない場合においては短い距離なら仕方ないとは思います。

ポプラご利用の方で、手引きが安心するという方も居たそうなので、本人が自立的な歩行介助を求めない方になら、その場合も仕方のない事と思います。
しかしながら、介助者が後方が見えず後ろを気にしながら誘導し、尚且つ要介護者と身体が離れており後方を確認している時に急な膝折れなどした場合に態勢を立て直す事など不可能に近いです。

先ほど説明した『安全性』と『安楽性』からかけ離れている介助方法です。
仕方のない場合において手引き介助をする際は、転倒のリスクが高い事を家族と本人に理解してもらわなければなりません。
転倒しそうになった事で、手の皮膚の剥離や脱臼と言ったリスクも高いです。
なので、お互いの重心が近い介助が理想です。

人の重心は、へその下辺りにあります。
正確には『第二仙椎』ですね。歩いている時重心は『八の字』を描くので、ポイント1の左右へ重心移動しなければ歩けません。
左足を上げたい時は、右足にしっかりと体重を掛ける、右足を上げたいときは左足にしっかりと体重を掛ける介助を行います。
見守り歩行でも、ただ単に「いち、に、いち、に」だけではなく、体重を掛ける声掛けを入れると良いです。

私がお勧めする側方歩行介助は、片方の手だけの介助よりも付く側の手を握り、反対側は腋下もしくは骨盤に手をあてる介助をお勧めします。
1、2、3のポイント全てが満たされていて、安全性も安楽性も高いです。
そして、後方歩行介助はよくリハビリテーションで見ますよね。
やはりこれも安全性は高いです。

ただ、後方介助においては介助者が小さい場合は前方が見えないので注意が必要です。
体重が前にかかった状態で転倒しそうになった場合、ある程度の力と踏ん張りも必要なため、女性においてリスクは気持ち高いかも知れませんね。
前方をしっかりと歩きたい意思がある方には、とても適した介助方法なんですがね。

次のポイントとして
 4、身体機能を把握する。
  前後・左右どちらにふらつきやすいか?膝折れしやすいか?ペースは?とその人に合わせて介助する事です。
  出来る限り本人の力を引き出させて下さい。『歩かせる』ではなく、『自分で歩く』です!

 5、足のサイズに合った靴選びも大切ですね。
  『脱げにくい靴』『滑りにくい靴』を使用しましょう。

そして、歩行補助具を使用する場合がありますね。
杖だと、一点杖もしくは多点杖、歩行器やシルバーカーとその人に合った補助具を選びます。
身体状況はもちろんですが、生活環境に合った補助具を選ぶ事が重要です。

杖を選ぶ時は、肘が30度に曲がる角度、歩行器は前傾姿勢になる高さを調整します。
アーム付の歩行器は、よく病院で活用されていますが肘を90度に曲げた高さに調整です。

杖歩行介助のポイントは、杖を持っていない方の斜め後ろで要介護者が踏み出す足と同側の足を踏み出します。
階段での介助時は、昇る時は杖を持っていない方の斜め後ろに立ちます。
降りる時は、杖を持っていない斜め前に立ちます。
そして要介護者が階段を昇る際は、杖→健足→患足で昇るように声を掛けます。
降りる時は、杖→患足→健足で降りるように声を掛けて下さい。
どちらかの足に疾患があるではなく、ふらついてしまう等の理由で杖を使用する場合は利き手を使用して下さい。

片麻痺の歩行ポイントですが、麻痺している患足の下肢の持続性(踏ん張りがきくか?)を確かめる事が鉄則です。
患足に体重を掛けて耐えられる筋力がないと、歩行は難しいです。
耐えられる事が可能であれば、歩行は出来ます。
歩行介助は患側(麻痺側)に立ち、斜め後ろから腋下(脇の下)に軽く手を添えます。

文章だけだと分かりずらい内容もあったと思いますが、歩行介助は過度な介助、不適切な介助を行うと身体機能が衰えてしまうので、適度な介助量で本人の動きに合わせて寄
り添う『安全性』と『安楽性』が大切です!!

高齢者の身体機能であったり、生活能力に寄り添う介助を『生活リハビリ』と言います。
リハビリテーションで行う直接的な筋力UPや、柔軟性を目指した機能訓練を実施するのではなく、日常生活動作を出来るだけ本人の力で行えるよう支援する事をポプラサポートでは大切にしています。

介護に困った事がありましたら、いつでもポプラサポートへご相談下さい。
介護施設での困ったも御座いましたら、一緒に勉強会等をコロナ禍が落ち着いたら、出来たら良いなと思います。
介護を離れる職員も多く、職員不足も多いかと思います。
そんな中でこそ、色々な施設同士でも連携が取れ、介護をより良くしていければいいなと思っています!!

では次回は、今月と来月で行っている社内研修の『褥瘡の定義とオムツ使用の理解』から他職員がホームページに掲載する予定です。
褥瘡の理解を始め、褥瘡の要因の一つであるオムツにおいて介護士が注意すべき点等の内容となっています。
再来月の時に、せっかくなのでオムツについてお話ししたいと思います。
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